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塾の開業に失敗する事業者は少なくありません。小資本で参入できることが魅力の塾業界ですが、多くの競合他社との競争に勝たなければ生き残れない現実があります。
塾の開業を成功させるためには、塾業界の現状に合わせた適切な対策を講じることが必要です。本記事では、塾業界の現状と、塾経営の失敗パターン7つについて解説します。
目次
塾業界の現状
少子化とコロナ禍の影響はありますが、塾業界は衰退していません。
下記は経済産業省が2021年8月に発表した学習塾業界の動向をまとめたものです。
- 2020年の感染症拡大前まで、少子化にもかかわらず塾の受講生数は増えていた
- コロナの影響を受けた時期もあったが、2020年10月以降の売上高は回復している
- 生徒1人あたりの受講料金が上がっている
しかし、塾業界は衰退していないにもかかわらず、年間で60〜90の塾が倒産する状況が続いています。個人塾のみならず、大手や、フランチャイズ契約の塾が倒産することもあります。塾業界の競争が激しいためです。
少子化により塾1校における生徒数が減少している中で、生徒のニーズの多様化だけでなく、塾業界のIT化にも対応しなければなりません。塾は小資本でも開業でき、教材と塾運営のシステム化も進んでいます。塾業界が比較的参入が容易な業界であることが、競争の激化に拍車を掛ける要因になっているのです。
個人塾開業の失敗パターン3選
個人塾開業で成功するパターンは無数にありますが、失敗するパターンはだいたい類型が決まっています。失敗パターンを研究して同じテツを踏まないようにしましょう。
【パターン1】集客力が弱くて失敗
塾開業で最も多い失敗パターンは、集客力が弱すぎてほとんど生徒が来ずに資金が尽きて失敗してしまうというものです。塾開業に限らず起業で最初に直面する高いハードルが集客である可能性はかなり高いと言えます。
多くの塾長は開業して少し折り込み広告でも打てば雪崩を打つように生徒が殺到するだろうと夢見がちですが、実際は想像以上に誰も来ません。当初の予算以上の広告費を使っているのにほとんど反応が無く、用意した資本金がどんどん減っていき青ざめるのが典型的なパターンです。
【パターン2】価格競争に巻き込まれて失敗
大手と真っ正面から競合してしまい、価格競争に巻き込まれて失敗してしまうパターンです。大手はさまざまなキャンペーンを打ち、安くて高品質に見えるサービスを打ち出している場合が多いでしょう。それを見て「これに勝つにはうちも値下げしなければ…」と焦って値下げしてしまい、利益が吹き飛んでしまうパターンです。
しかし、大手は大きな資本力を背景に効率化しているので安くできるのであり、個人がその土俵に乗ってしまっては絶対に勝てません。個人は逆に大手にはできないきめ細かいサービスで高級路線を目指すべきです。
【パターン3】運転資金が足りずに失敗
塾開業でありがちな失敗パターンとして資金繰りがうまくいかずに運転資金が尽きてしまうパターンです。開業するには開業資金と運転資金が必要になります。開業資金とは開業する塾を作るための初期費用のことで、運転資金とは塾を維持するための日々のランニングコストのことです。
塾を開業するとなると、店舗の賃貸物件の初期費用やホームページ作成費など、開業資金ばかりにお金をかけてしまいがちです。しかし、開業資金にお金を使いすぎてしまい、運転資金が少ししかなくなってしまうとすぐに資金が尽きてしまいます。どんなビジネスでもある程度安定した売上が立つには一定の期間を要するからです。
開業資金はできるだけ節約し、運転資金を確保しましょう。売上が安定するまではある程度の時間がかかります。確保する運転資金は最低でも1ヶ月の必要経費の3ヶ月分が必要です。
フランチャイズ塾の失敗パターン4選
個人塾はノウハウが無いと難しいのでフランチャイズにしようと考えている方も多いと思います。たしかに個人よりはフランチャイズのほうが軌道に乗りやすい傾向はあるかもしれません。しかし、フランチャイズでの塾の開業には、個人塾の開業とは違う落とし穴があります。
以下にフランチャイズ塾ならではの失敗パターンを4つ解説します。同じテツを踏まないようにしましょう。
【パターン1】本部の理念に共感できずに失敗
フランチャイズ本部の理念と、自分の教育理念が一致せず、モチベーションを失って失敗してしまうパターンです。自分の理念とのズレが大きいと、経営がうまくいかないリスクが高くなります。個人塾なら自分の好きな仕組みを作れますが、フランチャイズの性質上、本部の方針には逆らいにくいのです。本部と自分のやりたいことが一致するかは事前によく調べていないといけません。
「所詮はマインドやメンタル面の問題だから…」と舐めてかかってはいけません。経営者は孤独な職業であり、周りからのプレッシャーも強いため、自分のやりたいことが出来ない環境では折れてしまいやすくなるのです。
【パターン2】不利な契約が経営を圧迫して失敗
フランチャイズ契約の内容をよく理解せずに契約してしまい、あとあとになってそれが経営を圧迫してしまって失敗するパターンです。
例えばロイヤリティの内容や金額1つとっても企業によって全く異なります。なかには著しく高額なロイヤリティを課す企業もあるようです。
ロイヤリティとは、商標や、経営と教育システムやノウハウの使用料のことです。フランチャイズ塾のオーナーが本部に対して毎月支払います。
テリトリー制が儲けられていない場合には、自社の商圏内に同じブランドの店舗を建てられてしまい、売上が分散してしまうので自社の経営を圧迫する原因となります。
【パターン3】フランチャイズ本部の経営が傾き、失敗
フランチャイズを契約するときに、フランチャイズ本部の業績をよく調べずに契約し、失敗してしまうパターンです。フランチャイズ本部は自社よりも大きな企業であることが多いでしょう。しかし、大きな企業でも経営が傾くことがあります。フランチャイズは本部のサポートがあってこそ安定した経営ができるので、本部が傾いてしまったら自社も危うくなります。フランチャイズ契約をする際には本部の業績の見通しや評判も調べてから契約しましょう。
【パターン4】フランチャイズ本部のサポート体制が不十分で失敗
フランチャイズが個人塾よりも有利なのは、本部が持つノウハウや商品、ブランド力をそのまま使えるからです。しかし、本部からの提供物が不十分な場合では、ただロイヤリティを吸い取られるだけの状態になってしまいます。なんでも本部まかせでよいわけではありませんが、協力して事業を拡大できるパートナーであるかはよく見定めておきましょう。
ツールを使って安価にホームページを作成しよう
塾の開業に失敗しないためには、競合他社との徹底した差別化を行い、高品質・高単価のサービスを提供することや、開業資金を節約しながら効果的な集客を行うことも大切です。
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